【アコギ音源】Prominy Hummingbirdを使ってみた所感
言わずと知れたアコギ音源の新定番、Prominy Hummingbirdを導入したのでその感想を述べていきます。
国産、それも我が北海道は札幌のメーカーというのが嬉しい限りです。
ぼくはというとさだまさし師匠に憧れてハードオフで買ったYAMAHAの70年代のアコギを手にしたものの早々に挫折しました。
初めて買ったアコギはハードオフのYAMAHAで……
買ったその日に挫折しました!
DTMerなんてそれでいいんだよ
しかしさだまさしになりたいという思いは断ち切れません。ラッパーですがさだまさしになりたいのです。というかさだまさし神はラッパーだと思っています。しかしコードチェンジごとに別トラックに録っていたのでは埒が明きません。こんなことをしていては海は死にますし大切な故郷も逝ってしまいます。
そこに差し込んだ一筋の光がこのハミングバードでした。
Prominy Hummingbird demo - Changes
ダウンロード~アクチベーション
サウンドハウスで買った二日後にProminyさんのセールが始まったことはさておいて、 届いたパッケージには使い方を説明したPDFが収録されたCD-ROMが一枚入っているだけ。あとはダウンロードコードとアクチに必要なシリアルナンバーコードがパッケージ内部に印刷されているのみです。
これならパッケージにする意味なくね? とも思いましたがコードナンバーをメールで送るだけの完全DL販売だと、そのメールがどこ行ったかわからなくなって再DLのときに困るので、この方が良いと思いました。現にそういう音源がいくつかあるのです……。
本製品にはインストーラーがなくて、continuataというソフトをまずインストして、そこにダウンロードコードを打ち込んでやればライブラリをDL出来るようになっています。Native InstrumentsのNative Accessやwavesのcentralみたいなもんでしょうか。
そうしてDLするのは21個(だったと思う)のrarファイル。ぼくの環境で3時間くらいかかったかな? もうちょっと早かったかもしれない。外付けSSDにDLしました。
そしてこの21個のrarを解凍するのかとおもいきやそうではなく、その後どうやったのか忘れてしまいましたがこれをもとにしてKONTAKT用のライブラリファイルが出来上がってしまいました。そのあとはrarは移動しても良いのでHDDの方に移動しました。
そしてpowered by KONTAKTなのでNative Accessでシリアルナンバーを登録してKONTAKTに読み込ませると左側の例のアレに表示されます。ハチドリの絵が可愛らしいですね。
一見するとちょっと特殊なDL方法に見えますが、マニュアル通りに順を追ってやっていけば難しいことはありません。
ストラム
ストラム奏法、つまりジャカジャカとコードストロークするやつですね。やり方については他のサイトでさんざん説明されているのでここでは割愛します。
いざノーマルキーでルートを、instrumentでコードの種類を指定して鳴らしてみます。
その結果感じたのは「フォークっぽくない」ということです。
ギブソンのアコギなので当たり前かも知れませんが、なんというかフォークの情念を表現するのには向いていなさそうです。
NIの SESSION GUITARIST STRUMMED ACOUSTIC も持っているのですが、アタックのジャキジャキ感とかはそっちの方が好きですね。
制作中のフォークとヒップホップの融合を目指した曲の中で比較してみると
■SESSION GUITARIST STRUMMED ACOUSTIC
■Hummingbird
どうでしょう。前者の方がフォークっぽく無いですか?
ハミバーは綺麗すぎるのかな。
森の泉に春の木漏れ日が差し込んでいるような、それこそ鳥がさえずっているようなあたたかい曲に向いているのかも知れません。
そしてストロークのアップダウンですが、オートモードにしてノーマルキーで弾いていると何故か全部ダウンピッキングになります。どれだけ連打しようとも侠気あふれるフルダウンです。ぼくは正統派メタラーになりたいのではないのです。さだまさしになりたいのです。
ストラムキーを使えばダウンとアップを異なる鍵盤で弾けるのですが、ノーマルキーはautoではダメでforced altという方で強制的にオルタネイトピッキングにしなければなりませんでした。何故だ……。
SESSION GUITARIST STRUMMED ACOUSTICは自分でパターンを組めないのでハミバーに期待したのですが、うーむ……?
ただ、サスティンの音は素晴らしいです。
思うにフォークのギターはサスティンに重きを置かない気がするのです。
アルペジオ
まあいいや。ストラムなんて凡百のフォークシンガーでも出来る。
さだまさし神の真髄はアルペジオにあります。
こちらもノーマルキーでルートを指定しinstrumentでコードの種類を指定し、アルペジオキーで各弦の音を鳴らす……アルペジオキーにはそれぞれに6弦から1弦が割り当てられているので各弦のコード構成音を鳴らすことが出来ます。
おお、素晴らしい音だ。低音弦のビビってる感じ。高音弦のきらびやかさ。これは実に生々しいです。
一歩さだまさしに近づきました。
しかし単純なアルペジオなんてジョン・レノンでもできます。
「線香花火」のようなハンマリングやプリングオフをからめたアルペジオこそがさだ神のアルペジオ、「さだペジオ」です。
こういうやつですね。
【宇宙一わかるアルペジオ奏法】3. ハンマリング&プリング / ギター(教則・音楽理論)
アルペジオキーではこれができません。
なのでinstrumentをhamm&pull/trillにして、かつこれだけだと単音しか出せないのでpoly modeにします。幸いぼくは何弦の何フレットでどの音程が出るというのがわかるのでこれで一音ずつ打ち込んでいくわけですが……。
なんということでしょう。ある音から全音上へノートを重ねて打ち込むと、弦が変わってしまうではありませんか。当然ハンマリングにはならず、音も濁ります。
さだまさ神が一気に遠ざかりました。
どうやら弦指定をしてやらねばならないようですが、ハンマリングモードの意味なくね?
ぼくはAmple guitar(のデモ版)も持っていますが、こちらは半音や全音のハンマリングで弦が変わるなんてことはありません。NIのベース音源もそうです。
これはちょっと意外すぎて呆然としました。
ギターソロ
ソロギターではなくギターソロです。
さだ神……というかフォークでアコギソロというのはあまり見かけませんが、B’zの「いつかのメリークリスマス」のようなアコギソロには憧れます。
ハミバー道というはギターソロと見つけたり。
というくらいギターソロが一番しっくりきました。レガートモードのスライドがとてもいいです。ビブラートも生々しい。
結論
Hummingbirdでさだまさしになるのは茨の道。使いこなせばなれるのかも知れませんが、ぼくには無理そうです。やっぱりちゃんぽん食って寝るしかないのか。
うーむ。メタル用にV-metalも考えていたのですが、shreddageの方がいいのかなあ。
まあ買いましたけどね。Vメタ。
ちなみにこちらはぼくのアルバム「ストレイト・アウタ・マイルーム」に収録されている「函館本線」です。これのアコギは本物です。